はじめに
朝、「行きたくない…」「お腹が痛い…」と子どもがつぶやいたとき。
親として胸がぎゅっと締め付けられる瞬間ですよね。
特にこれまで元気に登校していた子が、急に行き渋るようになると、
「何があったんだろう?」「どうしたらいいの?」と不安になってしまうもの。
我が家でも、これまでに何度も「行きたくない」と言われてきました。
その度に、どう関わるのが良いのか悩み、時に戸惑いながら、少しずつ我が子の気持ちと向き合ってきました。
そして、私自身も不登校だったこともあり、その経験とともに子どもと関わり、過ごしてきました。
今回は、そんな「学校への行き渋り」について、原因や関わり方のヒントをお伝えしたいと思います。
行き渋りって甘えなの?
「甘えなんじゃないの?」
そんな風に周りから言われたり、自分の中でそう思ってしまうこともあるかもしれません。
でも、実際には「心のSOS」であることがほとんどです。
子どもなりに「学校に行くのがしんどい理由」があって、それを上手く言葉にできないこともよくあります。
まずは、「甘え」ではなく、「サイン」として受け取ってみてください。
行き渋りのよくある理由
行き渋りの背景には、さまざまな理由があります。
・クラスでの人間関係(友だちとのトラブルや孤独感)
・学習面でのつまずきやプレッシャー
・教室や校内の環境が合わない(音やにおい、騒がしさ)
・先生との関係が合わない
・朝起きるのが辛い、生活リズムの乱れ
・成長や発達に伴う心と体のバランスの変化
どれも子どもにとっては大きなストレスになりえます。
無理に引っ張っていくより、まずは「何がしんどいのかな?」と想像することが大切です。
親にできること
「行きたくない」気持ちを受け止める
まずは否定せず、「そっか、行きたくないんだね」と共感の言葉をかけてあげましょう。
無理に理由を聞き出そうとするより、安心できる雰囲気を作ることが先です。
そのことにより、子どもは自分の気持ちを受け止めてくれる人がいるという安心と味方がいるという自信につながっていきます。
話せる時に、ゆっくりと話してみる
学校のことを聞くのは、タイミングも大切。
お風呂や寝る前など、ふとしたリラックスした時間に、「最近、学校どう?」ときてみると、
ポツリと話し出すこともあります。
そして、話してくれた思いは否定せずに、まずは全てを受け止めてあげてください。
「休んでもいいよ」の選択肢
「毎日学校に行かなければいけない」と思い込んでいる子は多いです。
「しんどい時はお休みしても大丈夫」「一緒に考えていこう」と伝えるだけでも、子どもはホッとします。
エネルギーの充電時間だと思ってあげてください。
子どもは、大人が思う以上に環境に慣れていくために神経を使っていることがあります。
のんびりの時間で、パワーアップしていくことが必要です。
小さなステップを一緒に考える
「今日は登校班の集合場所まで行ってみる?」
「午後からだけ行ってみる?」
そんなふうに、”全部行く”以外の選択肢を一緒に考えてみましょう。
登校だけでなく、放課後の友だちとの時間や、学校外の居場所も大切な社会経験です。
一緒に考えていく中でも、子どもの決定を優先させていくように話をします。
そして、朝その約束ができなくても、考えただけで大丈夫と思っていくのが親子の関係を築いていく方法です。
もし長引くようなら…
数日で落ち着くこともあれば、行き渋りが長く続く場合もあります。
小学校へ上がってすぐでは、幼稚園や保育園での生活と、全く違う環境に成長が追いつかなのが普通です。
行ける日もあれば、お休みした日もある!そういう気持ちで関わっていくことです。
どんなに、親も寄り添って関わっていても、
本当に大丈夫なの?このまま行けなくなるのでは?将来が不安…
と思ってしまうこともあると思います。
そんな時は、親のためにも、無理をせず、スクールカウンセラーや信頼できる先生などのサポートも視野に入れてみてください。
第三者が入ることで、子どもの気持ちが整理されることもあります。
また、親も落ち着いて見守り続けることができます。
まとめ:親ができるのは「味方でいること」
親も心配で、焦ってしまうことがありますよね。
でも、子どもにとって一番の安心は「お母さん・お父さんは味方だ」と感じられること。
子どもが「大丈夫」と思える土台があれば、学校との距離感も、自分で調整できるようになっていきます。
そして、学校での教育が全てではありません。
頑張らなくても大丈夫。
焦らなくてもいい。
ゆっくりでも、きっと大丈夫です。
おわりに
私もまだまだ悩みながら、毎日子育て中です。
親も色々悩みながら過ごしているともいますが、
子どもも同じように悩んでいます。
学校に行かないと決断することも、子どもにとっては大きな主張の一つです。
人生のたった数年間を寄り道にそれたくらいで、何も変わりません。
私も、寄り道にそれながら、それでも助産師としてやっています。
ママ・パパが笑顔で、毎日過ごせるように!

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